7月21日の日記

2005年7月21日
7/21
本当に久しぶりに、目的なく本屋に行く。勉強のためでも資料でもない本が読みたい。このあいだ、もうすぐ子どもが産まれる友だちに「今のうちに本屋に行ったり美術館に行ったり静かな喫茶店に行ったりしておいたほうがいいよ」と話したが、本当に、意外と仕事はやろうと思えばできる(たぶん対価を得られるから)んだけど、ちょっとした自分の時間というものがなかなかとれないのだ。
駅に隣接する立地からか、それとも今はどこも同じなのか、目につく場所に並んでいる本はどれもなんだかどぎつい。要領よくおいしく楽に生きるためのこつ、みたいな・・やだやだ、と思いながらぐるぐると棚を眺めていく。野田聖子さんの本が読んでみたかったが見あたらない。評判のいい「夜のピクニック」を手に取ってみたが今日の気分にはしっくりこない。「ガン漂流」シリーズ、まだ読む勇気がない。
そして目に留まった一冊の本。「どうせ死んでしまう……私は哲学病。」(中島義道著、角川書店)。これだ、というこつんとした感触があってどきどきしながらレジに持っていった。

わたしは自分で死にたいと思ったことはないのだけれど、消えてしまいたいほど情けない、という思いはよく味わう。将棋に負けたときなど・・そして、生きる意味についてずーっと考え続けているので、死ぬとはどういうことか、には自然と興味を持っている。
この本の題名を見たとき、なぜだか、この間の対局のあとずっとちくちくと心が痛むのはなぜかが急にわかった。
一手一手、勝率の高い指し方、パターンを探して、それで備えたつもりになっていて、そのくせ簡単な筋を見落としていて。あさましい。情けない。もうこんな思いをするのはいやだ。弱くとも、せめて堂々と指したい。それで負けても、実力なんだから。

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